ここ数年で、従来の1コマ90分15回授業を行っていたところ、1コマ100分14回授業に変更している大学が増えてきています。
2020年の東京オリンピック開催にあたり、開催期間中は授業・試験を実施せず、学生が積極的にボランティアなどに参加できるよう配慮してほしいという旨の通知もスポーツ長から出ています。
1コマ90分15週授業から、1コマ100分14週授業に変更した大学の変更理由などについては、下記記事でもまとめていますので、ご参照ください。
1コマ100分授業14回への変更理由
今回は、この記事で紹介させていただいた大学の、時間割の変更内容についてまとめてみたいと思います。
単純に、すべての授業コマを10分延長し、終了時間を後ろ倒しにするだけでもないようです。
各大学、それぞれの考えや配慮のうえ、時間割の変更を行っています。
開始時間・休憩時間・終了時間の変更
1コマ90分から、100分に変更となることで、時限ごとの開始時間や終了時間にも、当然変化が生じます。前記事で紹介した10大学の時間割の変更について、以下のように図にまとめてみました。
なお、キャンパスや大学院などによって同一大学内でも時間割に違いがある場合は、代表的なものを抜粋して紹介しています。
詳細については、各大学のホームページ等からご確認ください。
まず、すべての大学において、各時限の間の休憩時間は(基本的に)変更がないことがわかります。
学生の教室の移動や、教員の準備等もあるので、当然といえば当然でしょう。
大学ごとに特色が現れたのは、1時限の開始時間、昼休みの時間、終了時間の3点かと思います。
1時限の開始時間
今回まとめた10大学のうち、1時限の開始時間に変更があった大学は6割の6大学でした。変更があった6大学のうち、開始時間を早めたのが4大学、逆に遅めたのが2大学でした。
日本獣医生命大学さんにおいては、開始時間を変更せず、昼休みの時間もそのままキープし、順当に90分を100分に延長した時間割構成への変更となっています。
これが基本的なスタイルであるといえますが、他の大学においては昼休み時間の増加や短縮も実施しており、同じスタイルでの変更はありませんでした。
昼休みの時間
昼休みの時間については、従来の時間から変更があったのは6大学でした。変更があった6大学のうち、4大学が昼休み時間を短縮し、2大学が延長しています。
それでも5~10分程度の変更幅ですし、一番短い大学においても40分は確保されていますから、「短すぎる!」といったような問題とはならないと感じます。
比較的、時間の調整上融通が効きやすいと思われる昼休みですが、大幅な変更を行った大学はないようです。
終了時間
終了時間については、当然、全大学が変更になっています。むしろ90分授業から100分授業に変更して、終了時間を変えないということの方が難しいのではないでしょうか。
終了時間は基本的に後ろ倒しになるはずですが、最終時限を削除することで、結果的に終了時間が従来よりも早まる大学が4大学ありました。
社会人学生の対応などもあるとは言え、さすがに授業終了時間が23時を過ぎたりしてしまうことは各大学避けているようです。
終わりに
90分から100分授業への変更については、ここ数年で各大学が徐々に移行を始めており、今後も追随することが予想されますが、時間割の時間帯の調整については、それぞれに特色がありました。大学を跨いで教鞭をもつ非常勤の教員は、時間帯の混在や、スケジュールの調整などで少し大変になるのではないかと少し心配になりますが、こういう形での各大学の特色や考え方の違いは、調べてみると大変興味深いですね。