もう「一般入試」や「AO入試」、「推薦入試」と呼ばれるものが無くなるそうです。
平成33年度からは、新たな枠組みの入学者選抜が行われます。
入学者選抜の新ルール
平成29年7月13日の29文科高第355号「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告について」の通知にて、大学入学者選抜に係る新たなルールについて予告がされました。大学入学者選抜改革について:文部科学省
この趣旨を一部抜粋すると、以下のようなものになります。
○各大学の入学者選抜において、3つのポリシーに基づき、「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価するものへと改善する。
○「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の在り方を見直し、新たなルールを構築する。
○高等学校教育への影響等を考慮する観点から、入学者選抜のプロセス(出願
時期、実施時期、合格発表時期)について、基準を設ける。
○入試区分については、次のように変更する。
・「一般入試」<変更前>⇒「一般選抜」<変更後>
・「AO入試」<変更前>⇒「総合型選抜」<変更後>
・「推薦入試」<変更前>⇒「学校推薦型選抜」<変更後>
というわけで、「一般入試」も「AO入試」も「推薦入試」も無くなります。
入試はどう変わる?変える?
この予告通知の中で、各大学には学力の3要素を多面的・総合的に評価し、3ポリシーに基づいた評価方法を検討・決定し、募集要項等で明確化することが求められています。また、各入試区分ごとに、以下のような改善も求められています。
AO入試
・実施要項上の「知能・技能の修得状況に過度に重点をおいた選抜とせず」を削除・各大学が実施する評価方法※または「大学入学共通テスト」のいずれかの活用を必須とする
・本人記載の資料(活動報告書、志望理由書、学修計画書等)の積極的活用
※例えば、自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法(小論文等)、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績など。以下同じ
推薦入試
・実施要項上の「原則として学力検査を免除し」を削除・各大学が実施する評価方法※または「大学入学共通テスト」のいずれかの活用を必須とする
・高校からの推薦書の中で、学力の3要素に関する評価を記載し、それを選抜に活用することを必須とする
一般入試(その他選抜についても同様に推奨)
・筆記試験に加え、調査書等本人記載の資料の積極的活用。またその活用法の募集要項への明記。・「大学入学共通テスト」の積極的活用
・記述式問題の導入・充実とそれによる評価能力や出題意図の明記
・英語の試験を課す場合は4技能(聞く、話す、読む、書く)の総合的評価
出願・合格発表時期、募集人員の変更
出願や合格発表の時期についても、変更が予定されています。AO入試(新・総合型選抜)
出願時期:9月以降(現行:8月)合格発表時期:11月以降
推薦入試(新・学校推薦型選抜)
出願時期:11月以降(現行と同様)合格発表時期:12月以降
教科・科目に係るテスト
テスト実施時期:2月1日~3月25日(現行:2月1日~4月15日)合格発表時期:3月31日まで(現行:4月20日まで)
教科・科目の履修を前提としない評価
実施時期:2月1日よりも前から実施可能であることを明確化以上のように変更されます。
AO入試などが夏休み明けから出願になったことや、合格発表時期が規定されたことは、影響が大きいかもしれません。
また、募集人員については総合型選抜(現・AO入試)については、募集人員には制限を設けないこととなっており、学校推薦型選抜(現・推薦入試)は現行と同様「入学定員の5割を超えない範囲」となっています。
おわりに
上記のほか、「入学前教育の一層の充実」や「調査書や提出書類等の内容の充実化」なども、この通知にて予告されています。また、平成32年度より「評定平均値」の呼称を「学習成績の状況」に改めることなど、大きな変更も予告されています。
センター試験も終わり、大学入試についても大きな変化がやってきます。
乗り遅れないよう、変更の趣旨を踏まえつつ、様々な準備が必要となります。