制約だらけ?留学生のアルバイト


留学生のアルバイトは資格外活動

大学に通う留学生が日本でアルバイト等を行う場合、入国管理局から資格外活動の許可を得る必要があります。

そもそも、留学生の在留資格は「留学」で、修学のために日本に入国しています。


また、在留資格の審査時には、留学中の経費の支弁能力も審査されますので、経済的にも日本でのアルバイトの必要性はない、という判断を入管からされています。

そのため、日本でのアルバイトは、「資格外活動」という扱いとなります。


在留の本来目的でない活動となりますから、その活動が目的の「留学」の支障になってはいけないため、留学生のアルバイトには様々な制約が設けられています。


資格外活動の許可(入管法第19条) | 入国管理局


アルバイト勤務先の制約

留学生のアルバイト先として適切でないとされる勤務先については、法でも制限がされています。


出入国管理及び難民認定法施行規則第19条には、下記の業態を認めないとした規定がされています。

風俗営業、同条第六項に規定する店舗型性風俗特殊営業若しくは同条第十一項に規定する特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行うもの又は同条第七項に規定する無店舗型性風俗特殊営業、同条第八項に規定する映像送信型性風俗特殊営業、同条第九項に規定する店舗型電話異性紹介営業若しくは同条第十項に規定する無店舗型電話異性紹介営業に従事するもの

これらで働いてしまうと、在留資格がはく奪されます。


アルバイト就労時間の制約

アルバイトの時間にも制限があります。

同様に、出入国管理及び難民認定法施行規則第19条に下記の記載があります。

一週について二十八時間以内(留学の在留資格をもつて在留する者については、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは、一日について八時間以内)の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動

ここからもわかるように、留学生は1週間に28時間までしかアルバイトを行うことはできません。


なお、授業のない夏休みなどの長期休暇時には、1日8時間まで、とその期間制限が緩和されます。

これに関しても、大学は長期休業期間がいつからいつまでなのか、提示してあげる必要があります。


アルバイト先によっては長期休業期間証明書といった書式を用意しているところもあるようなので、そうした書式を持った留学生が来たら、証明してあげる必要があります。


大学内でのアルバイトの扱いは?

また、例外のひとつとして、出入国管理及び難民認定法施行規則第19条の三に、下記の規定があります。

留学の在留資格をもつて在留する者で大学又は高等専門学校(第四学年、第五学年及び専攻科に限る。)において教育を受けるものが当該大学又は高等専門学校との契約に基づいて行う教育又は研究を補助する活動に対する報酬

2010年7月から大学との契約に基づいて報酬を受けて行う教育・研究を補助する活動については、資格外活動許可を受ける必要がなくなりました

これらの活動は、上記の1週28時間にも算入しなくても大丈夫です。


該当する活動内容としては、
TA(ティーチング・アシスタント)、SA(スチューデント・アシスタント)、RA(リサーチ・アシスタント)などが該当するとされています。


事務的な補助業務等については、別途資格外活動として扱う必要がありそうです。


インターンシップは?

インターンシップに関しても、就職活動の一環として行うインターンシップの場合などは1週について28時間を超える資格外活動許可を受けることができるとされています。

ただし、学部の場合はインターンシップを行う年度末で修業年度を終える者で、かつ、卒業に必要な単位をほぼ修得している者(9割以上の単位)など、一定の条件があります。

法務省:インターンシップをご希望のみなさまへ


留学生を雇う側は何をする?

逆に、留学生をアルバイトとして雇う側は、何をするのでしょうか?

大まかな流れとしては、

①当該留学生の資格外活動許可の有無の確認(許可書または在留カード裏面で確認可能)
②労働条件の確認(書面が望ましい)
③労働契約を結び、契約書に署名をもらう
④ハローワークに留学生雇用の届け出を行う

っといった流れになるようです。

おわりに

留学生のアルバイトは、本来目的ではないとは言え、大学で学ぶよりも、日本をより理解できる機会になることも多いと思います。

もちろん、学修の妨げになることはあってはならないですが、良い面も多いかと思いますので、希望する学生の応援はしてあげたいですね。