AO?アラカルト?大学の入試方法まとめ


入学者選抜は、大学進学希望者に対して、事前に大学(あるいは受け入れ単位ごと)のアドミッション・ポリシーを提示し、入学後の教育との関連性を十分に踏まえた上で、入学するにふさわしい能力や適性等があるかを判定することを原則とされています。


さらに、高校教育の多様化にも配慮し、多面的な判定をできるよう、入試方法自体の多様化、評価尺度の多元化が求められ、公正かつ妥当な方法で実施しなければなりません。


そうしたなかで、大学が実施する入試にも様々なものがあり、その中でも代表的なものをまとめました。


一般入試

一般入試とは、独自の学力検査で審査する一般的な入学試験です。

大学やその学部によって入試科目や科目数は異なります。


一般的な3科目入試とは別に、近年では2科目、1科目に減らす大学も増えています。


一般入試の方式の中でも、以下のような多様な手法があります。

アラカルト方式入試

同一学部・学科で入試科目や配点が異なる複数の受験方式を用意する方式。

同じ学科の一般入試でも受験者によって受験科目に違いを設け、選択させる等。

ユニーク科目入試

受験生の特異な能力や個性を見るためにユニークな入試科目を課す方式。

一芸入試などもこれに当たるかと思います。

得意科目重視型入試

元々定められた配点設定ではなく、受験生の自己申告や入試結果によってその配点を決定する入試。

特定科目だけどうしても苦手、といった受験生には助かります。

受験日自由選択制入試

1つの募集単位で複数設定された試験日から都合のよい日を選択して受験できる方式。

併願状況に左右されなくて、受験生にはメリットがあります。

統一日程入試

1回の入学試験で複数の学部・学科を併願できる入試。

受験生の入試負担は減りますし、受験機会の拡大が望めます。


センター試験利用入試

センター試験利用入試とは、センター試験の結果を合否判定の基準とする入学試験です。

センター試験の得点をそのまま合計して合否判定をする方式と、センター試験の得点と大学独自の個別試験の得点を合計して合否判定する方式とがあります。


なお、文部科学省では「センター試験の成績については、過去3年前のものまで、当該年度の入学者選抜に利用することを認める」としています。


推薦入試

推薦入試とは、高校の校長の推薦に基づいて、調査書等を主な資料として判定する入試です。

原則、学力検査が免除されます。


また、大学は客観的指標として出願資格として一定以上の評定平均値を求めることが一般的です。


なお、文部科学省のガイドラインでは、推薦入学の募集人員の入学定員に占める割合が5割を超えないことを目安されています。


推薦入試の方式の中でも、以下のような多様な手法があります。

公募推薦入試

推薦を受ける高校を特定せず、全国から幅広く募集する方式。

高校の成績など出願条件を満たしていれば応募可能。

書類審査と面接によって合否判定するのが一般的。

指定校推薦

大学が指定した高校に一定の出願条件を付して生徒を募集する方式。

高校は校内にて生徒を選考の上、推薦する。

小論文や面接、調査書等で審査。

指定校推薦は基本的には専願がほとんど。

学内推薦

付属高校等からの推薦による入試。

自己推薦入試

推薦入試には高校の校長の推薦書が必要だが、これの代わりに「自己推薦書」で受験生が自らを推薦して行われる方式。

自己推薦書には学習面、クラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動などの実績を記載する。

AO入試と特別せずに実施する大学もあるが、その境界が曖昧になっているという問題もある。


AO入試

AO入試とは、アドミッション・オフィス入試の略で、文部科学省の用語解説には、下記のように記されており、法令上の定義はないものとされています。

アドミッション・オフィス入試には法令上の定義はなく,その具体的な内容は各大学の創意工夫にゆだねられている。一般的に言えば,「アドミッション・オフィス入試」とは,アドミッション・オフィスなる機関が行う入試というよりは,学力検査に偏ることなく,詳細な書類審査と時間を掛けた丁寧な面接等を組み合わせることによって,受験生の能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に判定しようとするきめ細かな選抜方法の一つとして受け止められている。

なお、AO入試などで入学する一部の学生に学力不足が指摘されており、一定の学力の確認を求める狙いとして、文部科学省は2020年度から、AO入試や推薦入試について学力評価を義務付ける方針を固めています。


帰国子女入試

帰国子女入試とは、日本の教育制度のもとで教育を受けられなかった者を対象に別枠で失する入試です。

基本的には一般入試とは別の内容で実施されます。

社会人入試

社会人入試とは、一定以上の社会経験を持ち、大学で学ぶ意欲を持った社会人を受け入れることを目的とした入試です。

帰国子女入試とともに、この入試を実施するにあたっては、この趣旨を踏まえて学力検査の免除または負担の軽減を図り、小論文、面接、その他大学が適当と認める資料を適切に組み合わせて判定することが望ましいとされています。


外国人留学生入試

外国人留学生入試は、国際交流等の観点から優秀な外国人留学生の獲得を目指して、各々の選抜方式を設けて選抜する入試です。

日本学生支援機構が実施する「日本留学試験(EJU)」の活用などもされています。

日本留学試験(EJU)

編入学入試

編入学試験は、2年次や3年次など、途中年次に入学するために実施される入試です。
試験科目は、語学・専門科目・面接等が一般的です。