高大接続のための教育
近年の入学者の学力低下と学力不問入試の拡大といった問題から、各大学では「高大接続」を意識して、それに即した指導を行っています。これらは、高校と大学の学習方法の違いから、早期段階で大学生活に支障をきたしてしまう学生へのケアなどを目的としています。
その代表的事例として、入学前教育・リメディアル教育・初年次教育についてまとめてみます。
入学前教育とは?
AO入試や推薦入試など、比較的早い段階で大学入学が確定した生徒に対して受け入れる側の大学が行っている教育です。早期に合格した生徒に、入学までの期間で適切な指導を行い、大学入学後の教育へのスムーズな受け渡しをすることで、学生生活の充実や中退率の低下につながるとして、多くの大学が行っています。
方法や内容については、課題を課すものや、インターネットによるもの、予備校との提携など各大学で様々です。
リメディアル教育とは?
リメディアル教育とは、補習教育です。本来であれば、高校卒業までに身に付けておくべき各教科に関する知識等について、大学で教育を受けるにあたり不足している部分を補う教育です。
学力低下への対応もそうですが、当該大学で学ぶにあたり必要なのにこれまで高校で未履修であった科目について実施している大学があります。
初年次教育とは?
初年次教育は、導入教育と言われ、高校から大学への移行という重要な転換期を支援する教育として定義され、近年では多くの大学が実施しています。大学で必要となるレポートや論文の書き方、文献の探し方などのスキルや、学習態度・動機づけなどについての教育により、自立的な学習、速やかな大学生活への適応、専門教育への導入などを支援することが主な狙いです。
おわりに
高校生にとっては、それまでの決められた時間割に沿って授業を教室で受けるスタイルでの学習から、大学での様々な自主的・自立的な学習へのシフトは、相当にギャップがあるものかと思います。そうした中で、各大学が様々な手法で、大学教育への接続を図っています。
個人的な意見ですが、大学としての取り組み自体にも限界もありますし、実のところ、「良き友達・良き先輩を早めに作る」なんて言うのが一番の解決策なような気もしています。