奨学金の免除制度が終わってた


日本学生支援機構の奨学金

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)では、教育の機会均等の理念のもと、意欲と能力のある学生等が、自らの意志と責任において大学等で学ぶことができるよう、国の重要な教育事業として奨学金貸与事業が実施されています。


独立行政法人日本学生支援機構


日本学生支援機構から奨学金を貸与されている奨学生は2.6人にひとりの数との統計で、かなり多くの学生がお世話になっていることかと思います。

とは言え借金は借金ですので、借りる前にはしっかりとそのあたりも考えてから借りたほうが良いですね。

ちなみに私自身も奨学金を借りて大学に通っており、現在も返還中です。


奨学金の返済免除

日本学生支援機構の奨学金ですが、特定の条件を満たした場合、その返還を免除する制度があります。

ひとつは、死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除です。

これは、本人が死亡し返還ができなくなったとき、精神若しくは身体の障害により労働能力を喪失、または労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったときに、願い出により返還未済額の全部又は一部の返還が免除される制度です。

もうひとつが、返還特別免除制度です。

返還免除


先生になっても免除されなくなった

返還特別免除制度は、本人が政令に定められた教育又は研究の職(以下、免除職)に就いたときの免除制度です。

私の勤める大学にも、この制度を利用した先生も数人いらっしゃいます。


が、この制度は廃止になっておりました。


以前は、以下のような免除職に就いた方に関しては、返還が免除されました。


  • 小学校・中学校・高等学校(特別支援学校の小学部・中学部・高等部を含む。以下同じ)・中等教育学校の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・教諭・養護教諭・栄養教諭又は常勤講師の職
  • 高等専門学校の校長・教授・准教授・助教・助手又は常勤講師の職
  • 大学の学長又は大学若しくは大学院の教授・准教授・助教・助手又は常勤講師の職
…など

これが、平成10年には、対象を大学院で受けた奨学金のみと改正がされ、さらに、この免除を規定していた日本育英会奨学金返還免除規程を含む、日本育英会法が平成15年に廃止となり、この制度も廃止となりました。

法の影響というよりは、団体再編の影響ですね。


おわりに

自身の学びのために奨学金を借り、大学を出るとき、「奨学金の返済が猶予されるから」、「返還が免除されるから」といった理由で教職に就く人はどれほどいるでしょうか。


そんなにいないだろう、と思う反面、実はけっこう多いのかもしれない、とも思います。


教職を志す方の間口を広げる方策のひとつとして、効果を上げている部分はあったでしょうし、国単位で考えればとても良い制度ではあったかと思います。


「なんで教職だけ?不公平だ!」という意見も、ないこともないでしょうけど、奨学金を借りた方の返還金をもって、それをまた新たな奨学生へ渡していくリレーのような観点が奨学金制度の趣旨です。


その観点からすれば、教育の世界の発展にも大いに寄与する制度でしたので、個人的には何らかの形での継続があれば良かったと思うんですけどね。

返還率の低下とかが影響しているでしょうか。