Q&Aの更新は大学からの抗議

大学職員の仕事の2割以上は調査回答

大学には、文科省を含む各省庁、独立行政法人、新聞社、民間企業、地域…などなど、様々な機関から調査依頼が届きます。
大学という性質上、そうした調査は断りづらく、かなり細かな調査にも相当の時間をかけ、根拠書類・根拠データをまとめ、回答しているのが実情です。
調査については、教育に関することや、社会連携に関すること、学籍・学生数に関することなど様々です。
大学宛の調査依頼ではありますが、代表部門や代表者のみで回答できるものは少なく、大抵の場合大学内の各部門に調査内容を振り分けされ、各部署で回答案を作成し、代表部署で取りまとめるのが一般的のようです。

調査繁忙は5月からと12月から

1年の中でも、調査依頼が一気に押し寄せる時期が5月からと12月からの時期です。
学校基本調査やら、学校法人基礎調査やら、各種新聞社やらの調査が5月前後に来ます。
新入生を迎え一月経ち、ようやく業務も落ち着く頃合いかな、という時期にドカンと事務作業が降ってくるような印象で、ため息が漏れる時期です。ですが例年調査内容には多くの変更はないので、準備さえしていればGWを憂鬱な気持ちで過ごすこともなくなります。
12月には、補助金に関わる調査等の依頼がいくつか来ます。こちらに関しては、内容も毎年変わってきていたりするので、根拠資料(エビデンス)の確認や整備などに苦しめられる方も多いのではないでしょうか。この進捗次第で、年末年始の過ごし方も変わっていきますね。

調査依頼の大まかな内容

調査依頼時には、大抵下記のようなものが同封(または添付)されています。

  • 依頼状
    回答の扱いやどのようなことで役立てる予定か等の説明、回答の送付先などが記載
  • 回答の手引
    回答方法や調査質問の説明、定義など
  • 回答票
    最近は紙ベースではなく、調査団体の用意したExcelシートに入力するものが多い
    Excelシートの入手は、依頼状等に記載のURLからや、メール添付から
また、その後追加で、Q&Aなどをお送りいただくことが稀にあります。

Q&Aの内容

Q&Aの内容で良くあるのが、「○○の場合、この質問の回答に含めても良いか?」や「該当するすべてを記載しなくてはならないのか?」「○○の場合はどちらに該当するのか?」などです。
調査における定義が曖昧であったり、調査主体の想定を超えるケースがあった場合の回答方法などがあった場合に、この「追加Q&A」が追加送付されることをよく目にしますが、最近あったとある調査では、この追加が数回ありました。

Q&Aはある意味抗議

Q&Aが追加送付された調査の、Qの部分の質問内容を見てみると、質問が向けられている調査部分には偏りがあり、私から見ても「この調査に答えるには相当の労力を要するだろうなぁ」と思わざるを得ない内容のものでした。
これをキッチリ答えなくては行けない担当者は、確実に泣きながら年末年始を過ごすことになるだろう…というもの。
先述したように、大学というところは調査に対して、真摯に回答する義務があり、回答するにおいても間違いのないよう努めねばなりません。単純なアンケートのように、意向を回答するわけではなく、数字や証紙、契約書等の根拠資料をまとめ、整理し、回答しています。しかし師走という時節柄、各大学の担当者の方々もさすがに「これは無理」状態だったのではないでしょうか。
しかし、「こんな調査回答しない」という選択肢はなく、仕方なく「質問(Q)」という形での抗議を行っているというのが透けて見える印象でした。
その後、数多くの質問と言う名の抗議を受け取った調査団体も、回答に関して多少の緩和を行ったようです。
ちょっとしたメールや文書のやり取りからも、様々な感情などが読み取れて、面白いですね。
ただ、やっぱり、調査の時期って、もっと分散できないものかな…とは思いますけどね。